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経営羅針盤

アイビー代表の吉田によるコラム。気になる経営の話題を鋭い視点で解説します。

「強い現場」を育む

「成果を出しているのは、現場である」とよく言われます。現場とは、営業・製造・サ−ビス等が実際に行われている場所のことです。 確かに、企業の成長を支えているのは管理部門だけでなく、「問題を発見し解決する」能力を備えた現場の一人ひとりの力の集合体なのだと 思います。「強い現場」を作るための条件は、「現場こそが顧客価値を生み出すエンジンである」という哲学を社員全員が共有すること。 特にトップや経営幹部がそのことをしっかりと肝に銘じていなくてはなりません。私自身振り返ってみると、以前勤務していた会社で、部下 の提案をことごとく拒否した時期がありました。最も頻繁に日々の変化に接しているのが現場であるのに、自分の成功体験から導き出した結論 を押し付けていたのです。

人間は、何かに頼ろうとすると潜在能力が出てこないようです。何者にも頼らず「私がやらなければ誰がやる」という気持ちで対応して いくと否応なく、潜在能力が出てくると言われています。もちろん、人間は有限な存在なので、全く何にも頼らないということは出来ません。 でも、その気概を持つことは出来るはずです。悩みを持つと、すぐ誰かに相談してアドバイスをもらう。あるいは全部解決してもらう。 そんな虫のよいことばかりしていると、問題解決能力は育ってきません。問題解決能力をもつ社員が育つには、トップや経営幹部は、どのよう なことを行えば良いのでしょうか?

そのヒントとなるようなエピソードをご紹介したいと思います。

先日、新聞のコラム欄にグーグル日本法人社長村上憲郎氏の記事が掲載されていました。グーグル日本法人では、「どうしましょうか?」 の言葉を禁句にしているそうです。「仕事の状況は、最前線の現場がよく判っています。それなのに現場がトップに白紙委任してしまうのは ナンセンスです。〜中略〜そこで、現場の方がA案・B案・C案くらいの選択肢を考えてそれぞれのメリット・デメリットを分析して上に提示 することにしています。私の方は、提示された選択肢について、さらにどれがベストだと思うかと担当者に尋ねます。そうすると大概、すぐに 明確な答えが返ってきます。気がついた疑問点は確認しますが、原則として現場が考えたベストの案を覆すことはしません。トップは、意思決 定の責任だけ取ればいいのです。」

弊社のコーチングセミナーは、「答えは、相手の中にある」という視点からスタートしています。グーグルのエピソードと重ねて考えてみる と、トップや経営幹部には、相手の中にある考えを引き出し経営に活かしていく技量が求められているといえそうです。
相手の話を正確に誠実に聴くというのは、意外と難しく、自分で思うほどにはできていないものです。さらにそれを土台に相手の能力を引き出す となると、簡単ではないでしょう。しかし、とても大切なことであり、経営者の責任の一つでもあるように思います。強い現場を育むために、 わたしも実践したいと思っています。

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研修企画コーディネイター・堀による企業研修・セミナーなど人材育成の現場にまつわるコラムです。
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