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経営羅針盤

Lanchester Strategy

先日、久しぶりに「ランチェスター戦略」に関する著作を読みました。私が以前経営者として携わっていたE学園で、戦略を策定する 時に利用していた戦略手法の一つです。E学園は難波に立地し、1985年当時予備校と専門学校を経営していました。「ランチェスター戦略」 における戦略には、簡単に述べると「強者の戦略」と「弱者の戦略」があり、当時私が使っていたのは「弱者の戦略」でした。 (詳細は『ランチェスター戦略マニュアル』日本ランチェスター協会・多田真行著/ビジネス社出版をご一読ください。)

「弱者の戦略」によると、弱者は強者と同じことをしてはいけないのです。その当時、E学園は弱いブランド商品しかなかったので、 ランチェスター戦略の法則通り、【まず地域でナンバーワンになる。⇒得意先でナンバーワンになる⇒商品でナンバーワンになる】、と いう順序で戦略を実行していきました。

具体的には、大阪全域を対象地域としていたのを、大阪南部、特に南海沿線を重要地域として選択し、 大阪北部・西部から広告宣伝活動を撤退して行きました。駅張りポスター、中釣りポスター、学校内ポスター等は、徹底的に南海沿線を中心 に配備、また、南海沿線地域を河川や道路等で区画割して細分化した拠点地域を作り、拠点地域の中で対象高校群を拠点校として選択、拠点 校から予備校に来ていた生徒の兄弟、親戚、クラブの後輩等を調査し、様々な仕組みでアプローチをかけました。

その結果、ある拠点地域ではE予備校に通う生徒が他の予備校の2倍近くになり、見事に「地域でナンバーワンになる」という目標を達成 しました。その後、地域内にある別の高校を拠点校に指定し、次々と高校内シェアを増やしました。第二段階の目標である「得意先でナンバ ーワンになる」を達成したわけです。次に行ったのは、「商品でナンバーワンになる」ための強いブランド作りです。

当時、センター試験が隆盛で、全科目で高い点数が取れる生徒に有利な状況でした。しかし、受験生の中には、ある科目は抜群だがある 科目は全然ダメ、という生徒が存在し、そういった学生たちが少しずつ私立大学に目を向け始めていることを私たちは把握していました。 私は役員会議で、「思い切って、関西の私学の雄である“関関同立”にシフトした予備校に変革しよう」と提案しましたが、その当時は「国公立 向けでなければ予備校にあらず」の雰囲気があり、E予備校の重鎮の先生方の猛反発を受け、やむなく延期しました。

実際E予備校では、1500名の生徒の中で国公立を受験する生徒が30名(2%未満)も在籍しなかったにも拘わらず、です。しかし説得の末、 次の年から「関関同立のE予備校」というブランドを作り、戦うことができました。他予備校が「国公立コ―スを持てない予備校は、つぶれる」 と様子見をしてくれたお陰で、3年後には、とても強いブランドとなり、その後の隆盛が続きました。

「ランチェスター戦略」が現在、見直されているようです。一度書店を覗いてみてはいかがでしょうか?

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