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アイビーズ・アイ

研修企画コーディネイターによるアイビーの企業研修・セミナーなど人材育成の現場にまつわるレポート風コラムです。

承認

わが家の近くにとても繁盛している整骨院があります。他の整骨院と比べ、設備が各段に良いわけでもなく、施術が格段に上手なわけ でもなく、特殊なサービスがあるわけでもなく、スタッフの話が特別面白いわけでもないのですが、いつ覗いても待合室には人が一杯です。 確かに、混んでいる割に待ち時間が少ないのは、この整骨院の良い点といえそうです。でも私が「ここがすごい!」と思うのは、スタッフ全員 が、患者さんの名前と顔をしっかり覚えていることなのです。院内ではもちろん、買い物途中の道端で「堀さん、最近来られてませんね、大丈 夫ですか?また来てくださいね!」と声をかけていただくこともしばしばです。街中ではスタッフの方も白衣を着ていない状態なので、知らぬ 振りをして素通りしてしまうことも可能なはずですが、先方から声をかけてこられます。若い方々ばかりですが、よく教育されているなあ‥ といつも感心しています。

先日、アイビーで実施しているTA研修の中で、講師の安部先生が、「“名前を呼ぶ”というのは居場所をつくってあげることだ」という話 をされていました。「そこにいていいよ、ここがあなたの居場所だよ」と、存在を「承認」する行為だということでした。

TAの理論では、私たちはこの「承認」がないと生きていけないとされています。そして残念なことに、良い承認が得られない場合には、悪 い承認でもよいから・・と、周囲から悪い承認を得ようとする行動に出る場合があります。それが極端になると、犯罪行為にまで発展する、と いうこともあります。

しかしもちろん、良い承認のほうが心地良いものです。一人一人が安定した精神状態で働ける職場環境となっているかどうかは、仕事の効率 にも影響します。わが子が通う保育園では、「安心できる空間形成」のため、生活空間の設定にとても気を配っているようです。小さな子ども にとっては、周囲の様子や状況の見通しのつく、自分の居場所が確保された環境が、情緒安定につながるのだそうです。

接客上手な販売員の方は、私の名前がわかった瞬間、「お客様」から「堀様」に呼びかけを変えられます。業界では常識なのかもしれません が、やはり接客を受ける側には、ちょっとした心配りにより心地良い空間をつくってもらえた感じがします。

最近では効率化のために、各自が自分の机を持たないというスタイルを持つ企業も増えていると聞きます。確かに物理的には効率的ですが、 精神的に効率的なのか、私はとても興味を持っています。メールなどの普及で、1対1のコミュニケ-ションが希薄になってきたとは研修でもよ く聞くコメントです。物理的な効率化を追い求めて、会社の中で自分の居場所を形成するのが大変になってきたのかな‥‥と感じています。

承認の実習はアイビーの研修でもよく行います。もちろん、良い承認を与える実習ですが、「人を誉めるって難しいですねぇ。」という 感想をしばしば耳にします。いきなり誉めるのは難しくでも、まずは名前を呼んでみることからはじめてみてはどうでしょうか。 「そういえば、名前を呼ばれるのは問題が起こったときだけだな」なんて、悲しいことは言わないでください。何もなくても、「○○さん、 おはよう」「△△さん、最近どう?」と、日常からの声かけが、職場の環境を良くする簡単で効果的な手法のように思います。 名前を呼ぶという簡単な承認、ぜひ意識して行ってみたいです。

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