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アイビーズ・アイ

質問力

最近、コミュニケーション能力の1つとして、「質問力」が必要だと盛んに言われるようになり、それに関する書籍もいろいろ と見られるようになりました。皆さん、日常生活で、どれくらい意図的な質問をされていますか?

25年以上にわたり、学校教育や企業研修などを通じてディベートの普及・定着活動に従事してこられた、国際ディベート協会 ・会長の松本道弘先生が考案した「六角ディベート」という手法があります。

従来の論破型ディベートと違い、「論理と情理」を扱うディベートです。以下のような役割が、肯定側/否定側の各チームメンバ ーに与えられ、 その役割に従ってディベートを展開します。
  「石」‥‥ 役割は 「立  論」:原理・原則を象徴する。
  「風」‥‥ 役割は 「反対尋問」:状況的論理を象徴する。
  「火」‥‥ 役割は 「反 駁 1」: 自愛的論理を象徴する。
  「水」‥‥ 役割は 「反 駁 2」: 他愛的論理を象徴する。

判定は、肯定側/否定側、どちらのメンバーが役割に徹した発表を行ったかで争われます。“ディベート版演技大賞”といったと ころかもしれません。この中で、参加者が一番手こずる役割は何だと思われますか?各社の研修を通じ、共通して私が曲者と感じる のは「風」です。「石」の立論を分析し、矛盾点を質問により切り崩すといった役割です。これがとても難しい・・。まず、求められる のは傾聴力です。相手の主張をじっくり聞かねばなりません。次に、質問力。短くスピーディーに、意図的な質問をしかけていきます。

では、実習では何が起こるか・・・相手の立論に対抗する自分の意見を、長々と発表する方が続出するのです。このディベートの判定 では、自分の意見を述べることは減点、長い質問をすることも減点になります。側で見ていると、減点の嵐になってきます。昨年12月の 姉歯氏の国会証人喚問で、40分の枠の内、30数分も自説を述べた議員に非難の声が浴びせられましたが、それと同じ現象がこの実習 でもよく起きます。

他のコミュニケーション研修の場合はどうでしょう。初めての「傾聴」の実習では、「話し手」と「聞き手」の区別が、第三者から 見分けがつかないことがよくあります。いろいろな研修を観察して思うのは、私達は、人から相談や課題、情報を受けたとき、相手の問題 を自分の問題に摩り替えてしまいがちだということです。特に相手の体験が共感しやすければしやすいほど、客観的な視点が失われがちです。

質問とは、自分の知りたいことを知るためだけでなく、工夫の仕方で、相手の気付きを促したり、相手の答えを引き出したり、モチベー ションを高める等の可能性を秘めています。客観的な視点を持って、相手のゴールに到達できるような意図的な質問をしていく。それには、 扱われるテーマをどれだけ自分から切り離して関与することができるかが、全ての第1歩のように感じます。まずは「客観的」立場を意識 することから、私もはじめようと思っています。

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