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最新TA情報

第3号(2003.09.09発行)

最新TA情報 第3号です。 今回は6月号のスクリプトのトップページから、「南アフリカのTA」についての記事を紹介します。 この「世界各地のTA」についての記事は、シリーズ化しており、次号では、日本のTAについての紹介もされています。

南アフリカという社会事情が複雑な地域でどのようにTAが活用されているか、是非ご参考ください。

「TA in South Africa」(著者 Diane Salters)
“南アフリカでのTA(交流分析)” (要約:堀 監修:安部先生)

世界中のいろいろな国や地域でのTAの状況を紹介するこのシリーズに、今回この記事を掲載していただくことをとても嬉しく思っています。

南アフリカでのTAのトピックスについて振り返ってみると、皮肉なことに、私の知っている事例の多くは、南アフリカ人が国内ではなく、 国外でいろいろと実践しているものでした。アパルトヘイトの年月は南アフリカを孤立化させ、国外とのつながりを制限しただけでなく、多くの 人々を国外へ立ち去らせたのです。私が英国でトレーニングを受け始めた時、私は一番身近にいたトレーナーにアプローチしました。彼女は後に Goldon Lawであることがわかりましたが・・。その後、私はPetruska Clarksonと共に、メタノイアで、Maria Gilbert、Sue Fish、Brian Dobson 、Elana Leighらを教えました。彼らは皆南アフリカ生まれです。Diana Shmuklerはメタノイアに現在もおり、Witwatersrand大学とトラウマ 心療所で、南アフリカの暗い過去の状況を取り上げています。他にも彼女のような活動をする人たちが、特にオーストラリアへ移住した人々の 新しい流れの中で、出てくると私は強く確信しています。

南アフリカのTAについて述べるにあたり、我国がTAと長い関連を持っていたのにも関わらず、現在はTAの公認及び訓練中の会員が非常に減少 している事情についてお話ししたいと思います。南アフリカにはColin Brett(TSTA 企業)、Sharon Kalinko(TTA 臨床)、Beatrice Kidd (PTSTA 臨床)、と私(PTSTA 臨床)、以上4人のトレーナーがいます。Colinは昨年トレーニンググループを結成し、現在も活動を継続して います。Sharonはヨハネスブルグを拠点に、TA101を定期開催しており、TA202グループも約1年コースで結成しています。そして今では12人の上 級トレーニンググループも起動しています。彼女はソーシャルワーカーのためのスーパービジョンコースも設けています。彼女は、これらスー パービジョン及びTAコースをCPD(Continuing Professional Development:専門職継続開発プログラム)公認するため、政府と手を結ぶ道を開拓し ようとがんばっています。現在、積極的にTAを活用している公認メンバーあるいはトレーニング中のメンバーはほんの一握りです。Pierre Clo eteはシドニーでCTAを取得し、現在ノーザンケープの遠隔地で仕事をしています。Brendah Gaineは教育分野のトレーニーで早期学習ニーズ専門 のNGOで現在活躍しています。

このように書いているとTAを探究している人が非常に少ないように聞こえますが、これだけではありません。何年もの間、多くの大学の学 部あるいは大学院の心理学学位でTAのコースが設けられています。また、George Kohlrieser、Valerie Batts、Richard Erskine、Mary Cox、 Gordon Hewittの全員が訪れ、ワークショップも行っています。仕事の一手段としてTAを使ってきて、上級のトレーニングを探している人達か ら、時々、電話を受けたりもしています。実際、いくつかの大学でもTA復活の兆しがあるようです。

南アフリカでTAが期待されたように一気に成長しなかったのは、この国に長い間存在している厳しい登録規制のためだったと思っています。 古いタイプの医療会・歯科医師会に登録するには、ソーシャルワークか心理学の学位をとるしか道はありませんでした。さらに、心理学の理学 修士への門戸は厳しく制限されており、毎年、受け入れられる生徒の数は非常に少数です。これは、医療援助金へのアクセスを制限し、基準を 高く保つためであるとしか私には思えません。

最近の法律下でさえも、登録の容易なものは全くありません。実際、臨床心理士として、あるいはカウンセリング心理士としてさえも、 登録は非常に厳しく、且つ純粋にアカデミックなものが要求されます。本来は、新しい国家資格の枠組みには(TAも含め)他のコースのように、 世界で公認され、人々が何年にも渡り実践を積み上げてきたものが取り入れられるべきだと思います。

だから、この国ではTAのプロフェッショナルな資格への道が今なおずっと閉ざされているのです。1994年のアパルトヘイト廃止以来、南ア フリカでは様々な変化が起こってきましたが、国家としては、硬直した官僚主義に傾倒しすぎる体制から抜けきれてはいません。

南アフリカTA協会(SATAA)が、最近復活しました。本会では、会が成長し、TAに興味のある人に加入してもらう道を模索しています。 また私達は、国際TA協会の世界大会を南アフリカで2008年に開催したいとも考えています。Sharon Kalinkoはこのプロジェクトのリーダー です。というのも、この大会をヨハネスブルグで予定しているからです。

「南アフリカのジレンマは私達がある部分では先進国の部分を有しており、またある部分では途上国である事です。 TAはそれら両方に有効です。」

私達はTAをずっと勉強してきおり、TAの大会に注目し興味を持ってくださる方がこの国に多数出てくると信じています。TAが今なお、 世界中で存続しているからこそ、世界大会に参加することによって、TAの持つ適切さ、奥の深さ、創造性について、高く評価することが できるのでしょう。私は、大学あるいは様々は機関で教えられているTAの多くが古いスタイルのものになっているのではないかと懸念し ています。というのも、それらが最新情報を加え進化しているTAを取り入れている公認トレーナーにより教えられてはいないからです。 古いスタイルのTA」が良くないといっているわけでは決してありません。それは今でもTAの核であることには間違いがありません。しかし 私がTAについて最も享受しているものの1つに活きたコミュニティで成長し発展しつづけるといった点があるからです。

Sharonと私は共に最近の南アフリカ大会の心理学学会で発表し、良い反応を得ました。幸運なことに、この大会で私は(最後の時間ぎ りぎりまで使う形で)午前いっぱいの時間を頂き、いろいろな深さで文化的な脚本を実験することができました。南アフリカにとって、 おそらくは世界にとっても非常に重要な意味を持っていたのがディスカッションの場でした。南アフリカにいる私たちさえも非常に強く TAの必要性を実感しました。つまり、TAは自分への気付き及び他人への気付きをもっとも安全に且つ最も可能にできるモデルだと思うのです。

実際 TAはいろいろな手法を南アフリカへ提供するのに非常に役に立つと確信しています。私はいろいろな活動を地方出身の女性達と 草の根レベルで行ってきました。ここでは彼女達がどれほどTAを好きで、多くのTAのツールやコンセプトをすぐに活用できているかがわ かります。私はまた若い女性の就職訓練を行っているプロジェクトでも仕事をしています。彼女らはかつての政権下で「有色人」(混血 など)と指定されたスラム街出身です。その地域は現在でも人口統計学的にも以前と同じであり、且つ社会的にも境界が引かれています。 ここは、地域的にもアルコール依存病の率が非常に高く、薬物は生きるための(そして死ぬための)手段でもあり、ギャングの「射撃戦」 が子ども達の命を奪い(この2ヶ月で4人が死亡し、数人が負傷しました)、性的虐待あるいはレイプが日常の犯罪になっています。

私が関わっている各グループで行っているのは、ストローク、「I'm O.K. You'reO.K.」、自我状態とドラマトライアングルを使って のゲーム、以上たった4つのセッションです。これだけの少ないセッションでさえも、彼女達は直ぐに反応し、彼女達が遭遇した困難な 個人的あるいは社会的問題を認め、その問題を扱い始めるのに、どれほど役に立っているかを知り、非常に驚いています。彼女達は、私や 他の団体から必要とされるフォローアップのセッションを提供されています。

私達が、先進国と発展途上国双方の部分に関連する側面を持っているという南アフリカのジレンマと、同時に登録が昔以上に困難に なっていることを反映し、一般のあるいは「裸足の」カウンセラーが非常に多数必要とされています。HIV/AIDSの最前線では特に当て はまります。TAは先進国及び発展途上国、両方の世界に適切です。私達がここで世界大会を開催する時には、国際TA協会の方々を招待し、 自分達の特殊な国について何かを学ぶ機会を得ると同時に、TAをもっと視覚的に且つ活用しやすくする助力を頂きたいと思っています。

今回の著者について・・・
Dian Saltersは臨床分野の准教授(PTSTA Clinical)であり、心理療法士、国際交流分析士(CTA)、企業コンサルタントとして 活躍しています。彼女とは以下で連絡を取ることができます。 15 Disa Road,Simon's Town 7975,South Afrika E-mail:dsalters@iafrica.com

記事を読んでの感想(堀)

TAの理論を4つ使うだけでも、大きな変化が出ているというお話はとても興味深いです。 ストローク、「I'm O.K. You're O.K.」、自我状態とドラマトライアングルを使ってのゲーム・・いずれもTA101で紹介させていただいた 理論です。是非ご活用ください!!

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